どうも!
パーソナルトレーナー・アスレティックトレーナーとして培った知識・経験を発信している市民ランナーのジュンです!
市民ランナーにとって、「どれくらいのタイムでフルマラソンを走れるのか?」、「どのくらいのペースで練習すれば良いのか」などなど、いろいろわからないものです。それは初心者だけでなく、経験がある方も同じです。
また、「トレーニングの目的」によっても、距離やペースなどは考えなくてはいけません。
トレーニングの目的についての私の考え方は以下をお読みください。
このブログを読む前に知ってほしいこと
市民ランナーにとって自分の”実力”を知ることは、効率よくトレーニングし、オーバートレーニングをしていくために非常に重要です。
その指標となるものの1つとして「VDOT(ブイドット)」をご紹介します。
VDOTとは
VDOTはジャック・ダニエルズというアメリカの運動生理学者が、著書「ランニング・フォーミュラ」の中で提唱している数値です。
マラソンのパフォーマンスに重要と言われる、最大酸素摂取量(VO2max ※)をはじめ、乳酸性作業閾値(LT)やランニングエコノミーなどの測定は専門家がいなければならず、大掛かりな測定装置が必要になるため費用もかかり、容易に行うことができません。
そこでダニエルズが考案したのが、レースでのパフォーマンス(タイム)から計算できるVDOTです。
長距離のレース結果から導き出される数値なので、最大酸素摂取量だけでなくランニングエコノミー、さらにはメンタル面まで反映されます。
逆に言うと、環境コンディションが悪かったりすると、正確な数値になりにくいですが、かなり実際のパフォーマンスが反映された結果になります。
さらに、VDOTから様々な距離のレースでの予測タイム、そしてトレーニングする際の目的に応じたタイム設定まで算出することができるため、レースでの目標を立てられたり、トレーニング時の距離・ペース設定を適切にすることができ、より効率的で、オーバートレーニングを防ぐことができるようになります。
計算方法
Googleの画像検索で「ダニエルズの表」などの検索をすれば、推定する表は出てきますが、細かいタイムには対応しておらず、大体どのくらいかしかわかりません。
そこで、便利なのが下記の計算機です。
表示されない方は、以下のURLから利用することができます。
https://runsmartproject.com/calculator/
レース距離はフルマラソンから1,500mまであり、任意の距離を入力することもできます。
その距離のレースタイムを入力すると、右上にVDOTが計算されます。
平均レースペースは1マイル、1キロ、800m、400mごとに出ます。
トラック競技などでは400mのペースタイムはありがたいですね。
様々なレースの予想タイム
「Equivalent」をクリックすると主要なレースの予測タイムと、そのタイムに必要な1kmのペースが表示されます。
もちろん、様々な要因がありますので、正確にはなりませんが、目標設定には非常に参考になります。
トレーニングペース
「Training」を押すと、トレーニング目的ごとの設定ペースが表示されます。
様々な目的に応じたトレーニング方法でのペースになります。
これに関しては今後、他記事で書いていきたいと思います。
レースによってVDOTが違う場合
私の2018年現在の自己ベストでVDOTを計算すると、以下のように距離によって異なる結果となります。
10km:56.6
ハーフ:55.6
フル:50.1
こういった違いは、ほぼ全ての方に起こるかと思いますが、その際は「最も高い数値を採用する」または「最も直近 or 納得できるレース結果を採用する」で良いかと思います。
さらに、この数値から読み取れることがあります。
私の結果の場合、距離が伸びると、VDOTの数値が低下していく傾向があります。
ここからわかることは、「距離が伸びた際の持久力に課題がある」です。
逆に、距離が延びればVDOTの数値が上昇していく場合は、「短い距離のスピードに課題がある」です。
これもコンディションが影響しますので、一概には言えませんが、そういった捉え方もできるかと思います。
注意点
VDOTはあくまで今の”実力”を表す数値で、予測タイムの算出による目標設定への活用や、トレーニングペースの設定などを行うためのものです。
ですので、自己ベストとはいえ、あまりにも古い結果を用いると、”現在の実力”は反映されません。
いつまでの記録が良いかはわかりませんが、現在の実力に見合ったと思われるタイムで計算を行うことが重要だと思います。
初心者の方や休足明けなどで、直近のレースタイムがない場合、平地で5kmや10kmのタイムトライアルをして、入力することも1つの手だと思います。
とにかく、VDOTを高くすることを”目的”にしないようにしてください。
この数値を生かすことができれば、マラソンのパフォーマンスの向上に非常に役立つと思います。
VDOTをもとにしたマラソンのトレーニング方法〜ジャック・ダニエルズ練習法〜